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【突撃!隣のCTO】社会に役立つプロジェクトを「テクノロジー」というツールで仕掛け続けたい

2020年8月20日

レポート


株式会社MOSQIIIT CTO・濱口恭平さん

様々なCTOにキャリアや原体験、これからの野望などをインタビューする、techcareer magazine(テックキャリアマガジン)とのコラボレーション企画「突撃!隣のCTO」。

今回は株式会社MOSQIIITのCTO・濱口さんにお話を伺いました。学生時代の縁がきっかけでベンチャー企業へ就業した経緯から、独立起業、そしてエンジニアとして社会との接点を模索し続けるスタンスが垣間見れます。


深堀りすれば必ず問題解決ができるという自信の所在

ー エンジニアを志した原体験とキャリアの出発点を教えてください

はじめてエンジニアリングに興味を持ったのは、私が中学生の頃です。

学校でゲームが流行りはじめたこともあり、ゲームを作りたい、ゲームに関わりたいと思ったのが、きっかけです。インターネットプロバイダーに付属しているホームページ作成ツールの中にあった、JavaScriptと出会い、興味を持ち始めました。当時はダイナミックHTMLと言われていましたが、調べ始めると動的にプログラムを制御できる言語だと知り、「これでゲームが作れないか」と当時は考えていました。親からもらった電子機器を分解して機能を研究したりもしていましたね。

ー 中学生でJavaScriptを用いたゲーム開発をされたんですか?

いえ、結局はJavaScriptでゲームを作ることはなかったです。中学卒業後は高専に入学し、ロボコンのクラブ活動に入って、その後バイナリ解析といったローレイヤーの経験を積んでいったことが、いまの自分を形成する出発点となります。ロボコンのクラブ活動が派生し、もともと携わりたかったゲーム作りの同好会が誕生しました。同好会活動を通じてインターネットで出会った方から、「会社を作るから手伝ってほしい」という誘いがあり、大学にも通いながら、技術者として1社目のキャリアを歩むことになります。

ー はじめて働いたのは、どんな企業でしたか?

1社目(現・株式会社SYG)は受験生向けに大学のレビューを出すようなサービスを展開していました。2度の資金調達に成功しましたが、当時はサービスとして伸び悩みが続いており、サービスのピボットを経験しました。

当時は複数のPCや端末間で同じソフトでも設定を共有することが当たり前でない時代だったので、そういった仕組みをWindowsのアプリケーションで提供するというサービスを新たに立ち上げました。このサービスを実現するためには各ソフトの設定を保存したり読みだしたり、インターセプトして各端末に共有するという仕組みが必要でした。体制としては、デバイスドライバ等を使ってインフラ側でのOTやデータ同期、アプリケーションのデータの読み書きのインターセプトを開発するローレイヤーの領域と、データ同期やOTを担うハイレイヤーの領域に分かれます。私はインフラ・ネットワーク側の役割を担って、プロダクトチームを率いていました。

ー 新しいサービスを立ち上げる中で得た学びや経験は?

新しいサービスでは、インフラ・ネットワーク側の役割として、デバッグにリソースを投下することになります。エンジニアとしてミクロな話になりますが、例えばWindowsのアプリケーションだと、セキュリティー的に実行ファイルの書き換えを許していない場合や、使っているAPIが違うパターンなどで上手く動作しないケースがあります。その時に、バイナリデバッグを動かしながら、挙動確認や不具合の特定をしていきます。不具合箇所にパディングを入れないと全体のアライメントが崩れてしまうんじゃないか?といった予測を立て、深堀しながら見つけて修正していくという経験を積みました。

この経験を通して得たことは、困難な状況に陥る、いわゆる「ハマる」ときでも、深堀すれば必ず解決ができるという自信が持てるようになったことです。いまは立場的に指揮するほうが多いのですが、臆せずに立ち振る舞えるようになりました。

ー 1社目から度胸がつくポジションの機会があったんですね?

はい。ただ、エンジニアとして仕事をしていくうちに、プログラムを書くのはシンプルに楽しくて面白いのですが、それ以上にテクノロジーを使って色々な人の役に立ちたいと思う気持ちが高まっていきました。更に幅広い技術を吸収し、テクノロジーで人の役に立ちたいと思い、独立の道を考えはじめ、退社しました。

ー 独立した際のお話を聞かせてください

独立直後は2年程度、フリーランスとして活動していました。元々、画像認識に興味があり、最先端技術に触れるような仕事が多かったです。前職で関わった取引先から受託でお仕事をいただき、もくもくと開発作業をしていました。独立したてのときは「ご祝儀受注」のようなものがありましたが、長く続かないと思っていたため、営業スタッフをアサインして、受託システム開発会社を立ち上げました。当時は、案件が無くなるのではないか、という不安と常にせめぎ合いをしていました。自分には営業経験が無いので、法人営業の基礎知識を勉強したり、交流会などに出席してネットワークづくりに勤しんでいました。同時に、エンジニアとしての活動の幅も広がっていきました。

ー どのように活動の幅を広げたのですか?

システム受託会社の代表を続けながら、幅広い業界(YouTubeチャンネルを運用する企業や、建築業界におけるDXを促進する企業など)でCTOとして働いています。そのうちの1社が、未経験から4ヶ月間で人生を変えるJavaScript特化型のプログラミングスクール「CodeVillage」を運営する株式会社MOSQIIITです。こちらでもCTOとして働いていますが、自ら「スクール長」と名乗っています。

■CTOとしてのキャリアジャーニー

ー MOSQIIITの技術責任者として今取り組んでいること、これから取り組みたいことを教えてください

いま取り組んでいることは、エンジニアの能力が120%発揮できる環境・組織作りです。MOSQIIITではアプリケーション設計やUI/UXエンジニアといったハイレイヤーから、経験が浅いジュニアまで幅広いメンバーが働いてくれています。エンジニアによって満足の所在が変わるため、全員の能力をどうやって引き上げるかを考えることが楽しくもあり、悩ましいポイントですね。

また、MOSQIIITが運営するプログラミングスクール(エンジニアの教育)では、技術的な要素はもちろんのこと、企業や社会が求めているエンジニアとはどういう人材なのか、どんなピースが欠けているのか、を理解することが重要だと思っています。PESTでいう、T(Technology)に特化しすぎるのではなく、政治や社会的なことにも目を向けていきたいと考えています。市場全体の経済動向や、人間同士の社会的な結びつきや役割分担が教育コンテンツになれば、社会にとっても良いことだと思います。

ー これから取り組みたいことを教えてください

人や事業の役に立つためにテクノロジーを活用していきたいという考えが根本にあるため、非IT系企業のデジタル化推進にチャレンジしていきたいと考えています。MOSQIIITが運営するサービスではないのですが例えば、いま携わっているプロジェクトの1つですが、マンガスクール事業を展開されているコミュニティーがあります。デジタルツールを使いながら、マンガスクールを世界に広げるというコンセプトでデジタル化を支援しています。

デジタルツールはあくまでツールとして効率よくシームレスを実現するものとして、サービスの主役であるマンガ教育というコンテンツを広めています。ほかの非IT系企業でも、最近では「DX」という錦の旗もあり、デジタル化が推進しやすくなったように思えます。そして、エンジニアを志した原体験でもある「興味を持ったら、とことん追及する」スタンスは変わっていないのではと考えています。

ー 濱口さんが考える、これからあるべき技術者(エンジニア)像とは?

プログラミングスクールの学生にもよく聞かれます(笑)。スクールでは教えている学生によってアドバイスが異なりますが、個人的な見解としては、「好奇心と、深堀を恐れない自信と知識のバックボーンを持つこと」だと思います。ITの世界は新しい業界なので、これからもスピードを伴った変化を続けていくでしょうし、新しいものを常に吸収し続けることが最も重要なスタンスだと思います。これからエンジニアを目指す方でも、キャリアを積んだ方でも、変化が激しい状況なのではないかと思います。ただ、あまりにも変化が激しくスピードも速いと、全部を身に付けるのは難しく、どれかを選ぶ必要がありますね。その時に、必要があれば別の道にも切り替えられるという自信を常に持っておくことですね。迷いが生じ、ストレスが高い選択があったとしても、安心していつでも切り替えられるエンジニアがたくさんいて欲しいです。

■社会に役立てる成果を残すこと

ー濱口さんの「信念」「価値観」「大切にしていること」は?

大事にしているスタンスは、何事にも粘り強く取り組むことです。例えるとするなら、「雨乞い」でしょうか。雨が降るまで雨乞いをし続ける。結果論として成果が出るまで向き合うことを大切にしています。ただ、引き時も重要だとは思います。

ー 濱口さんの目標や野望を教えてください

プログラミングスクール事業でまずは国内シェアをナンバーワンにすること。そして、海外展開を実現したいと考えています。

プログラミングスクールは、国ごとに設けられている認定取得や制度が異なることを上手く活用しながら、認知獲得の足掛かりを作っていきたいですね。なにより、私たちのプログラミングスクールから輩出されたエンジニアが、「CodeVillage卒業生は技術力も人間力も非常に高い」と企業から評価されるような状況を作っていきたいです。

ー 最後に読者へお知らせしたいことがあったら、教えてください

CodeVillageというプログラミングスクールで、講師を絶賛募集しています!週1回1時間から講師として入れる枠もありますし、もっとガッツリ副業で稼ぎたいという方には、月に3クラス担当していただけます。若手のエンジニアにテクノロジーを教えたいという方がいたらぜひ声をかけてください。いつでも歓迎しています!

■取材を終えて

取材中、「社会のためにテクノロジーができること」という言葉を照れながらも繰り返し語っていらっしゃったのが印象的でした。変化が激しくスピードが求められるIT業界において、粘り強く深堀して自信をつけるスタンスは遠回りのようで、実は問題解決のための近道であることが伝わってきました。そして、現職であるプログラミングスクールの「スクール長」として、技術的なスキルはもちろん、社会性や人間性を兼ね揃えた卒業生たちが5年後10年後、IT業界で活躍する姿が想像できました。深堀をしながらテクノロジーを横展開し続ける濱口さんのこれからの活動に注目したいです。

プロフィール:濱口 恭平筑波大学在学中にTech系スタートアップにジョインしCTOを担当。その後独立し、フリーランスを経て2015年に大規模システムの受託開発を行うフィフス・フロア株式会社を創業し現職。2019年12月より株式会社MOQSQIIIT取締役CTO・プログラミングスクール事業運営責任者兼スクール長を務める。株式会社MAGIA株式会社ZUMEN取締役CTOを兼任。日本CTO協会個人会員。Mastodonの公式ゴールドスポンサー。マンガ文化教育推進グループFUKIDASSメンバー。