WITHコロナだからこそ、縦割りを打破するメッシュなコミュニケーションが一気に進んだ。| DX解体新書 アイペット編
レポート
連載を始めるDX 解体新書。日本CTO協会で2019年12月に公開したDX Criteriaを活用していただいているCTOにインタビューをしながら、気づきや戦略への活用事例などを深堀りする連載企画、『DX 解体新書』。前回のメルカリ編に続き、今回はアイペット損害保険株式会社の執行役員 情報システム部長である亀澤さんをゲストにお呼びして、DX Criteriaの活用方法を伺ってみました。
インタビューイ 亀澤修太郎(Shutaro Kamezawa)
Silicon Graphics、電通国際情報サービス、DELL、リクルートを経て、2016年1月ドリームインキュベータ入社。2018年6月よりアイペット損害保険へ参画。IT全般の責任者として、部門再編、運用スキームの改善、クラウドマイグレーション、基幹システムのリプレースなどに従事。
インタビュア 広木 大地 ( Daichi Hiroki)
2008年に株式会社ミクシィに入社。同社メディア開発部長、開発部部長、サービス本部長執行役員を務めた後、2015年退社。株式会社レクターを創業。技術経営アドバイザリー。著書『エンジニアリング組織論への招待』がブクログ・ビジネス書大賞、翔泳社技術書大賞受賞。一般社団法人日本CTO協会ではDX Criteria担当理事を務める。


「ペット保険」ならではの技術的挑戦がある。
アイペット損害保険はどのような事業を行っているのか教えて下さい。
アイペット損害保険株式会社が取り扱っているのはペット保険です。犬と猫はもちろん、鳥や小動物の保険も取り扱っています。
少額短期保険を含め、ペット保険を扱う会社はたくさんありますが、金融庁の認可を受けた損害保険会社として、ペット保険を専業で扱っているのは、当社を含めて現在3社です。おかげさまで保有契約件数は順調に伸長しています。事業は比例して規模拡大していきますので、その状況にシステムのスケールアウトや事務の効率化が追いついていかなければなりません。
ペットを飼育したご経験があれば、実感のある方も多くいらっしゃるのではないかと思いますが、動物病院にいくと高額な診療費や手術代がかかります。人間のように公的な保険制度がないため、ペット保険に加入していない場合には、飼い主さまにとって大きな出費になります。ペット保険はこれから伸びる業界ではあるとは言われていますが、ペット保険の認知度はまだ高くなく、日本でのペット保険加入率は約10%程度です。
私はITの担当ですので、しくみでビジネスを支えていくミッションを担っています。金融機関としてお客さまのお金を預かって事業運営を行っていくわけですので、誠実に手堅く、コストバランスよく事業を推進するためのシステムが必要不可欠であるという意識を持っています。
ペット保険という領域は面白いですね。ペット保険という事業についてより深く知りたいのですが、営業、ペットショップや代理店、どういったチャネルで顧客を獲得していくものなのでしょうか。
比率としては代理店(とりわけペットショップ)とネット経由のダイレクト申込が2大チャネルです。
ペットショップでペットをお迎えになる際に同時にご加入頂くことが多いです。また、近年はダイレクトチャネルからの加入が増えてきていますね。
商品は他の保険と異なり比較的シンプルです。当社では犬や猫では12歳11ヶ月まで新規加入することができ、通院、入院、手術を幅広くカバーする商品と高額になりがちな手術に特化するタイプがあります。そのほかにも、ウサギ、鳥、フェレットなど当社所定のエキゾチックアニマルの通院、入院、手術を補償する商品もあります。
保険商品設計やアクチュアリー(確率論や統計学など数学的な手法を駆使して、将来のリスクや不確実性の評価をおこなう専門家。 日本語では「保険数理士」)の方々も管掌の範囲なのですか?そのあたりもデータ分析やテクノロジーと相性が良さそうなので。
保険商品の開発を行うチームには、アクチュアリーも在籍していてチームで商品設計を行っています。情報システム部との関係では、ある程度商品構想ができたらシステムにも相談がくるという仕組みです。極力、システム制約によって商品開発を妨げないようにしています。アクチュアリーはその他にも様々な分析を行っていますが、情報システム部でも適宜連携は行っています。
AI活用など挑戦してみたいことは多々あります。今でも写真をとるとペットの推定属性がでてくるくらいはできるのではないかと考えています。もし可能になれば、引受審査の参考情報としては有用な可能性もあるように思います。
この2年間の取り組みが可視化されて、次へのステップも明らかになった。
DX Criteriaをやってみようと思ったきっかけはなんですか。
現在のいろいろな打ち手に関して、相対的な評価指標が欲しいと思ったのがきっかけです。
何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのかを整理していかなければいけないですよね。
実は、運用については以前より第三者からのアドバイスをもらうということはしていました。アセスメントを受けることにより自分たちの立ち位置を把握して、やるべきことの優先順位を明確化、実行計画に落とし込むということを実践してきました。
DX Criteriaを見て、今まで考えたことがなかった項目も多くあり、もっといろいろなところに着眼しなければいけないな、とあらためて感じました。
他の企業のアセスメントとの比較も楽しみにしています。
着任後から2年間の取り組みを通じて、改善されてYesになった項目も多くあったので、どれほどのレベルアップができたかを見ることができるのは有効だと思いました。本来は2年前の状態も記入しておくべきですね。そうしたら、もっと改善したことがわかりやすくなると思います。
今後は、定期的にDX Criteriaを行って、結果を比較してみたいです。
アセスメントをやってみての感想や気付きはありますか。
感想はいろいろありました。カテゴリーのスコアの良し悪しはともかく、自分が重点をおいていたチームでの「縦割り文化にならないように」と意識したしてきたことがスコアにでていました。
一方でこれは・・・と感じていた「design」(UI、UXなど)が如実にスコアに出ていましたね。
保険会社は資料請求や申込みなどの入力フォームでお客様と接点を持つことが多いのですが、to Cに限らずインターフェース改善がまだ十分にできていないと感じています。
それ以外にも、そもそもの興味、関心、重要性が今まで論議されていなかったというところなどで改善が必要なところがありますが、概ね私自身の考えている課題感・強化してきた点がそのままスコアに反映されたように思います。
アセスメント結果を見て、自社としての強みだと思う点はありますか?
「team」のスコアが高く、重点的に改善を推進してきたところが反映されていてホッとしています。
当初は社内での情報の横方向の流通が足りず、みんな同じフロアで仕事をしているのに、会話やコミュニケーションが全く足りないと感じました。たとえば、ありがちなのかもしれませんが、隣の島の人が何やっているか知らないとか。そのような状態がリリース時の問題などにつながっていて、全体影響を認識できずに各々の担当範疇しか見えていないような状況に、就任当初は危機感を覚えました。
地味ですが、ドキュメントやRedmine、BackLog、Wiki、ITIL準拠の運用ツールなどに作業記録を残すことを推進したり、もっと初歩的なところではホントありきたりなのですがチーム会の開催など、改善に地道に向き合ってきました。
金融機関でありがちな縦割りのチームではなくて、雰囲気のよいインタラクティブに仕事を進められる環境に変わってきたという自負もあります。
「data」でいうと、ペット保険会社として申込情報や治療の実績からとれる様々なユニークデータを持っているのですが、データベースの散在などの課題があります。
経営指標や商品開発のために必要なデータがなかなか出力できないという状況を改善するために、データウェアハウス的なものをつくって、オンデマンドでデータを得られるようにしました。tableauなどをつかって分析できるようにするとり組みもやってきました。まだまだなのですが、こちらの取り組みも顧客接点のデジタル化などでスコアに反映されていました。
確かにチームのスコアは全体的に高いですね。すばらしいです。チームのアセスメント結果から、感じ取ったポイントはありましたか?
一例として「ふりかえり習慣」について、大きなリリースの振り返りを行う際は、何が良かった?何が悪かった?と聞き出すようにしていましたが、当初はなかなか出てきませんでした。わかっていなかったこともあるんでしょうね。でもきっかけさえ与えてあげれば、正しい視点を持って主体的に目的を持ってとり組むようになると、やはりみんな成長しますね。次第に意見が出てくるようになってきたとは思いますが、まだまだこれからですね。
逆に、これから強化していかなければいけない弱みと感じているポイントはありますか?
「system」のカテゴリーの、「バージョン管理」、「ソースコードの明確さ」、「継続的インテグレーション」ですね。
当社の情報システム部は社員比率の高い部隊です。また、もともとベンチャーとしてのスタートだったので、短い歴史の中での成長スピードも手伝ってか、大規模開発において信頼できるSIパートナーがいませんでした。これまでは色々な企業のエンジニアに委託して開発をした例も多くありました。
そのため、自社の開発標準をつくろうという文化も機会もなく、人によってSVN、GIT、bitbucketなど、びっくりするほどバラバラに管理されていました。統一されていなくて、困った部分の例をあげると、コーディングルールですかね。全く統一が取れていませんでした。ここも現在意識しながら改善中です。専門家などのアドバイスももっと取り入れていきたい分野でもあります。
これちょっと珍しいなと思ったので伺いたいのですが、セキュリティーシフトレフトのスコアは高いのに、ソースコードの明確さや継続的インテグレーションが低めです。これはどのような経緯でこうなってきたのでしょうか。
そうですね。当社ではセキュリティ専任のチームがあり、エキスパートがいます。
当初、古いシステムも多い状態で、アプリケーションの管理も先程お話したように不十分だったので、個々の改善で一気にセキュリティを担保することが難しかったため、WAFを導入したり、セキュリティアプライアンスなどインフラレベルで要塞化してカバーしていくような戦略にしました。
その他にもSIEMを入れてログからNGやインシデントを即座に検知したり、フォレンジックを実施できるようにするなど、しくみや導入テクノロジーについてはある意味ではかなり進んでいます。
一方で、各システム“そのもの”については、課題もあります。老朽化したもののリプレースなどのフォロー、カバーは、引き続き対応していきます。
とはいえ、いっぺんには解決できないので、まずは外堀を固めています。
スコアのあげ方として外堀からを固めていくアプローチおもしろいですね。そうなるとシフトレフト、開発段階でのセキュリティの自動化という観点では少しやりづらい部分もあるのではないでしょうか?
そうですね。時間がかかりますね。
2年やってこのスコアなので、まだ改善するところが多いということの表れだと思っています。これでいいとは思っておらず、たとえばWAFを置いたからアプリの脆弱性を直さなくてもいいという話ではありません。やりたいと企てていても達成に至らない周辺的な事情もあり、悩ましいところです。
デザインやプロダクトマネジメントに関して、強化していきたいポイントはありますか?
お客様や代理店、動物病院に向けたインターフェース・デザインについても重要ですが、いま個人的に気になっているのは内部向けシステムのUIでしょうか。
ERPのようなシステムって、どうしても無機質なインターフェースになってしまいますよね。途中で商品が増えたりすると、カスタマイズがかかるたびにだんだん煩雑になってきてしまいます。UIだけではないのですが、現状事務部門のシステム満足度が低く、使いにくいという声が多いです。
UIの改善で一定レベルの解決はできると考えていますが、意識をしている担当がそもそもいないように感じています。裏付けはとりたいところですが、もしかするとこの改善をするだけで作業効率が上がるかもしれません。
この点についても、DX Criteriaに教えてもらいました。
UIそのものよりも、業務分析や業務フロー自体の改善がより効果的な場合もあるのではないですか。
そうです。まさに2021年からのメインテーマで、これからプロジェクトとして走らせて行きます。
保険事務のDXで最終的に行き着くのは自動化です。パンチ入力や紙のエビデンスのチェックなど単純な手作業も多く、あらゆるところに利便性や効率向上の余地があります。
ツールの使い方を丁寧にIT部門以外にも伝えていき、このタイミングで縦割りが解消されていった。
平均的にスコアが高い印象です。ここに至るまで大変でしたか?
最初は基礎的なことができていなかったり、運用のスキームが未整備であったり、決してよい状態ではなく、いったい何から手をつけようかという印象でした。
いろいろとレベルを底上げする必要があったので、2年間の計画をたて、優先順位を細かくつけて、スケジュールを具現化して小さなプロジェクトを数多く走らせてきました。うまくいったものも、うまくいかなかったものもありますが、2年前のスコアと比べると大きく変わったと思います。
当然一人では成し遂げられません。進んで取り組んでもらうためには、メンバーのマインドチェンジも重要だったと思います。
メンバーのマインドチェンジに関して、特にやってよかった取り組みなどはありますか?
コミュニケーションをメッシュにするきっかけをつくることですね。
その中で、お互いの取り組みを知り、人同士が仲良くなって相手に興味を持つ段階からテクニカルな興味が湧いてくると思います。
ずっと運営に携わっていたが、開発にも興味がある、というメンバーや逆に基幹系からWEB系に異動したいというメンバーも出てきたりして、全体的にチームの機動力があがったと感じました。また、なんでも現状の体制で補おうとせず、外部も含めて仲間を増やして解決に向かっていこうとすると、そういう方々とのコミュニケーションも増えますよね。
会社や事業のテーマによって異なるかもしれませんが、縦割り組織の会社はそのような取り組みを展開してみるといい結果を生むかもしれません。
コロナ禍でリモートワークの導入は進んでいるのですか?
はい、リモートワークは進んでいます。情報システム部はフルリモートでもいいといっていますが、今現在社内ではどうしても紙と縁が切れない部署があります。
社員の2〜3割ほどはリモートワークの限界があり、自宅でできない仕事があります。たとえばお客さまの申込書や支払審査のための診療明細などのアナログデータを、自宅へは持ち帰れないですよね?社内で環境に不公平が生じてしまうのは課題だと感じています。
リモートワークが進んだ現在、メッシュなコミュニケーションの促進を行う上で、うまくいった具体的な仕掛けなどありますか?
G Suiteを利用しているのですが、以前はGoogle Chatとは別のチャットツールを利用していました。使い勝手の面もあったと思いますが、そこで定められていたファイル添付の禁止などのルールや設定を緩和して、社内でのコミュニケーションのハードルを下げたりしたのも大きかったかと。役員も含めて気兼ねなくコミュニケーションをとれる環境づくりができました。社員を信用して合理的に仕事ができるようにすることも大切ですね。
リモートワーク開始のタイミングでそれまで使っていなかったチャットツールを使っても、なかなか導入がうまくいかなかったという話も最近はよく聞きますが、成功した要因はなんだったのでしょうか。
大なり小なりセクショナリズムがありましたよね。「(周りの部署にも)聞いていいよ」という発信が、ツールを使うきっかけになったのではないかと思っています。逆も然り、オープンに会話できる雰囲気づくりをツールベースで進めてみた、というところですかね。
特にコロナ禍でリモートワークになった現在では、全社的にコミュニケーションツールとしてチャットの利用は欠かせません。
なるほど。コロナ禍のこのタイミングで使い始めたからこそコミュニケーションツールが円滑化したということですね。
はい。コロナ以前からコミュニケーションツールとしては存在していたのですが、使いにくいという声が多かったです。
それがコロナになって、出社が制限されていく中で急にリモートワークになり、社内では戸惑いもありました。新しい働き方を模索する中で必要なものを受け入れざるを得ないようになり、利用が普及したと感じています。
また、社員の発想や効率化を邪魔することのないよう、手段を制限しすぎないことも意識しています。私はITベンダーやリクルートでキャリアを積んできたので、ずっと金融機関にいる方とは感覚が違うのかもしれませんが。
営業部門でのお客様との連絡にLINE WORKSを利用するなどの例もあります。
部門ごとにコミュニケーションツールがばらばらになって、分断がある話も聞きますが、複数のツールでうまくいくのが面白いですね。
ルールが多いと使わなくなると思います。厳しい利用規制があった頃よりGoogle ChatやLINE WORKSの方が普及率がよい気がします。社内での啓蒙テクニックとしては、しめておいてちょっとずつあけにいくやり方だと、心理的に開放された気がするみたいです。
ツール自体一気に導入が進んで、コロナで必要に応じて普及して結果的にうまくいったなら、使う力はもともと高かったということでしょうか?
初めて教えていく段階で、きちんと良識のある使い方や事例、マナーなどを説明しました。ここはルール撤廃との交換条件ですよね。例えば電話をかけるよりチャットを送る方が相手の都合を妨げないよねとか、以前と違ってわざわざアポイントメントを取らずに気兼ねなくコミュニケーションがとれるよねとか、メリットも説明しました。利用に関する質問にもサービスデスクで丁寧に回答しています。
印象として、ベンチャー企業などとは順番が逆で、チームが先行してシステムなどが強化されるようになっているところが面白いですね。
そうですね。おっしゃられたとおり、テックベンチャーとは逆になる部分がありますね。
当社は内製化にきりかえていくのとは逆のアプローチなので、不思議な感覚を持ちながらやっています。IT施策のリードで会社全体をうまく流れに乗せながら、その中で自分たちのプレゼンスをキープ、いや、向上させていかなければなりません。
まだ社内下請けのようなマインドが一部に残っていて、社員やユーザーに迷惑をかけてしまうようなトラブルがあったりすると、肩身が狭くなって萎縮してしまったりするようなことがありました。正確な仕事をするに越したことはありませんが、みんな高度な仕事をしているのだからもっと自信をもって、と言い続けてきました。その点、よい意味でも悪い意味でもプライドの高いバリバリのエンジニアみたいなキャラクターとは違いますよね。ゆえに、テクノロジーファーストな会社とは攻め方が違うかなと思います。
順番としては、ソースコードから伸びていく部分と、逆に後から中が育っていく順番があるんでしょうね。
はい。レベルの底上げはしたいと思っていますが、OJTのような形でないとメンバーも育たないと思っています。アウトソーシングに切り替えていっても、外部の方と一緒にプロジェクトに入って、実感を持って学んでほしいです。
丸投げではなく、力を借りたり学んだりする機会にすることですね。プロジェクトマネジメントや開発標準などはベンダーさんのそれを参考にさせてもらい、まずは真似てみるというやり方もあるのかな。
保険会社なのでエンジニアの採用はなかなか難しいのが実情です。そうであれば、このメンバーで/体制で/スキルセットで/どういったやり方で進めればよいかを考えながら、自分たちが事業をドライブするくらいの気概を持って前進したいと思います。

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日本CTO協会では、日本のDXに貢献するため、様々な企業のDX Criteriaを集計し、集計レポートを会員企業に向けて、作成・配布しています。ご興味のある方は法人会員向け申し込みフォームからお問い合わせください。
インタビュイー
アイペット損害保険株式会社 執行役員 情報システム部長 亀澤修太郎
インタビュアー / 執筆担当
日本CTO協会 担当理事 広木大地
企画・運営・協力
株式会社サイカ 執行役員CTO 是澤 太志
日本CTO協会 山中はる