何かを変える1日目に。Day OneイベントにかけるCTO協会の想いと目標
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レポート

「テクノロジーによる自己変革を、日本社会のあたりまえに」。
設立から2年を経過した私たち日本CTO協会は、2021年12月にこの新たなミッションを掲げました。
そしてミッションを体現し、誰もが自己変革への第一歩を踏み出せる機会をつくりたいと、2022年4月8日にオンラインイベント「Day One – CTO/VPoE Conference 2022 Spring -」を開催します。
Day Oneにかける協会理事・運営メンバーの想いや目標とは。イベント担当理事である横路隆さん(freee株式会社 取締役CTO)に、代表して語っていただきました。
■自己変革し続ける
ー今回のイベントはCTO協会の掲げるミッションを体現するものですが、そのミッションは理事全員で話し合い、2021年12月に決定したものです。
協会設立時は「日本の企業経営に先端テクノロジーを」だったミッションを、なぜ一新されたのですか。

横路さん:CTO協会は2019年9月に11名の理事でスタートし、2021年6月に私を含む4名の新理事が加わって15名体制となりました。
本業だけでも多忙なメンバーが多いなか、それぞれが何を実現したくて協会にコミットするのか、改めて話し合ったんです。
そうしたときに、元のミッションにあった「企業経営」という言葉ももちろん出たのですが、大学などアカデミックな機関、若者、国など、もっとテクノロジーをインストールしていきたい領域がたくさんあることがわかりました。
ー企業経営やテック界隈に止まらないと。
横路さん:はい、日本社会全体を良くしていきたいと一致しました。
そして同じく皆の口から出たのが、「自己変革」という言葉。
社会の変化スピードが加速し続ける現代において、ビジネスもチームのあり方も多様性が増していきます。そのなかで与えられたノウハウを単に適用しようとしても、うまくいかない。
今のスピードに追いつき、さらに進化していくには、自ら働きかける「自己変革」が肝なのです。
ーただの変革でなく「自己変革」なのですね。
横路さん:変革は、誰かに変われと言ったり、無理に変えてやろうと働きかけるものではない。そのベクトルは、自省の念も込めて自分に向けるものだと思っています。
そして繰り返しになりますが、現代は本当に変化のスピードが早い。何らかの変化に対して、これまでは数年単位で対応していたものが数ヶ月単位になり、今では数秒単位といったものもあります。
最初はBtoCサービスにおける使い勝手の改善などからはじまり、10年ほど前からはBtoBでも当たり前になりました。
例えばSaaSサービスは、設立1年で売り上げ1億、2年で10億…というスピードで伸びる企業が出ているなか、「うちのサービスのアップデートは1年後」なんて話していては、どんどん追い越されてしまいます。
お客様や世の中がどう動いているかを取りに行って、自ら変え続けなくては生き残っていけないのです。
ーそれはスタートアップなどに限った話なのでしょうか。
横路さん:広く万人が変わらなくてはならないと思います。
スタートアップはもちろん、中小企業や大企業、そしていわゆるITど真ん中以外の企業の方にも、自己変革をし続けることは必須となるでしょう。
■多様な方が集うイベントへ
ー「誰しもに自己変革が必要だ」という想いを体現するイベントということは、今回はCTO以外の方も対象となるのですか。
横路さん:テクノロジーで何かしら世の中を変えたいという方には、ぜひご参加いただきたいです。
主催は私たちCTO協会ですし、イベントのサブタイトルにも「CTO/VPoE」の表記はありますが、広くエンジニアの方やそうでない方にも、価値を感じていただけるイベントを目指しています。

今後10年を考えたとき、ビジネス側を含めたエグゼクティブにも「テクノロジーを理解し、活用できる」という能力が、当たり前のように求められていきます。
現在はテクノロジー=CTOの役割というイメージがありますが、“テックドリブンなエグゼクティブ”の裾野が広がっていくと考えます。
それに対して、現状では私たちCTOがおそらく1番ノウハウを持っている。それをお伝えするのが、イベントの目的の一つです。
ー様々な方にご参加いただくことで、CTOの方々にはどういった変化が考えられるのでしょうか。
横路さん:とても良い刺激をいただけると思っています。
私たちCTOやエンジニアは普段から「プロダクトをいかに良くするか」は深く考えていますが、「世の中をいかに良くするか」には目がいかなかったりします。
普段から経営課題にコミットされている方にも、社会課題へのコミットなど、さらに視野を広げる機会になるのではと期待しております。
■何かを変える1日目に
ー今回のイベント名である「Day One」には、どんな想いがこもっているのですか?
横路さん:新たなミッションにもある「自己変革」。
これが大切だというのは、気付いている方が多いというか、当たり前すぎるというご意見もあると思っています。
ただ、その当たり前を実行へ移すのは難しい。
そこで私たちを含む全員の後押しになる言葉や行動指針を作れたらと、「Day One=1日目」というタイトルを付けました。
「Day Oneの精神でいこう!」を合言葉に、今日を“何かを変える1日目”に。
選択に迷ったら「Day One」という言葉を思い出して、今日もやるぞと踏み出せるきっかけにしていただきたいです。
ーイベントが終わったときには、自分もやるぞとなっているような。
横路さん:そのためにイベントではノウハウだけでなく、パッションやマインドセット、カルチャーなどもお伝えしていきます。
個人も企業も成長するためのコアは、実はノウハウよりそれらだったりしますから。
ーどのようにパッションやマインドセット、カルチャーをお伝えするのでしょう。
横路さん:今回も素晴らしい登壇者の方々にご協力いただきますが、皆さんにノウハウはもちろん、「今までのDay One」や「今日をどんなDay Oneにするか」を語っていただけるようお願いしています。

例えば現在お伝えできる登壇者様には、台湾行政院政務委員のオードリー・タン氏やデジタル副大臣の小林史明氏、ネットイヤーグループ株式会社元代表取締役社長兼CEOの石黒不二代氏、ソフトイーサ代表取締役/筑波大学 産学連携准教授の登大遊氏がいらっしゃいます。
本当に凄い方ばかりですが、講演を聞いて「凄いな」で終わって欲しくないのです。
最前線の方達が、今もなお変わり続けようとしている。そのモチベーションやマインドセット、パッションはどこにあるのか。
自分を変えることの大切さや、そのコツをお伝えいただくことで、「よし、自分はこれをやるんだ。今日を自分のDay Oneにしよう」と実際に踏み出していただけるイベントにしたいです。
ー他にはどういったお話が聞けるのですか。
横路さん:先にお名前を出させていただいた方々には、国やインフラ、グローバリゼーションなど、大きなものを長いスパンで描くことについてお話しいただきたいと思っています。
日々のプロダクトやビジネスから視点を上げて、大局観を持って世の中がどう変わっていくか。
そんな大きなフレームを参加者の皆様の中にセットしていただくためです。
もちろんプロダクト作りやDX事例など、現場の質実剛健なお話も、様々な登壇者様にそれぞれの角度からたくさんしていただきます。
スポンサードしていただいている企業の方にも、製品自体の素晴らしさはもちろんですが、それによって「お客様がどう変わったのか」を話していただけるよう、お願いしています。
■透明性とシェアする姿勢
ー他にも大切にしている点はありますか。
横路さん:今回のイベントはもちろん、CTO協会のあらゆる活動のなかで「透明性」や「オープンにシェアしていく姿勢」を大切にしています。
CTO協会では、失敗事例も含めた経験値を深くシェアするために「ここでしか言えない話」をするクローズドな会も一部行っています。
しかし基本は透明性やシェアする姿勢を尊重し、実践しています。
設立当初から「自分たちの知見を、広く世の中に還元しよう」と声を掛け合ってきました。
ーDX企業の基準を作ろうと、2019年12月に発表した「DX Criteria」もそのひとつですよね。
横路さん:その通りです。
理事を中心に、たくさんの協会メンバーの方と知識・経験値を出し合って作成した「DX Criteria(DXクライテリア)」。
こちらは誰でも無料でご活用いただけるようになっていて、自社のDXについて現状を可視化して把握し、改善のための指針を立てられるような基準となっています。

本来は300以上の項目に回答する必要がありましたが、2021年10月には10分程度で30項目に回答すればよい「DXクライテリア簡易診断」もリリースし、より多くの方に試していただけるようにしました。
自社やチームを、どちらの方向にどう伸ばしていくか。
これを決めるにあたって、自分が今どこにいるかという客観認識・自己認識はすごく重要ですから。
ー今後、さらに透明性やシェアの文化は高めていくのですか。
横路さん:もちろん深い話を腹を割ってしあえる機会は、これからも大切ですし作っていきます。
しかし基本は透明性とシェアの姿勢を大切に、さらに高めていきたいですね。
ある映画で、世界に14座ある8000メートル級の山を制覇する記録を、7年10ヶ月から6ヶ月程へ一気に縮めた男性の実話があるんです。
彼は登山家たちが集う“ベースキャンプ”と呼ばれる場所で、飲んだり踊ったりしながら、山の状況や登り方についてひたすらシェアをしてもらった。
そのおかげで彼自身が凄い記録を成し遂げたし、周りの人たちも彼の姿に触発されて、厳しい山をどんどん登っていっちゃうんです。
登山でもビジネスでも、登りたい山は人それぞれ違っても、そうした場所・仕組みを作ることは非常に価値があると思っています。
■皆のDay Oneを目指して
ーところで横路さんは、なぜCTO協会の理事になろうと思ったのですか。

横路さん:僕は新卒から2年間総合電機メーカーで働いた後、創業メンバーとしてfreeeを立ち上げて、そのまま10年になります。
最初はほとんど知識もなくて。それでもやってこられたのは運もありますが、社内外のプロフェッショナルたちが助けてくれたのが本当に大きいと思っていて。
CTO協会も法人になる前身の「CTO会」の頃から、多くの方に話を聞かせてもらい、インスピレーションや具体的なノウハウをいただいてきました。
まずはその恩を返していきたいのです。
ー恩送りの精神ですね。
横路さん:それともう一つ。自分を試したいという気持ちもあります。
freeeの創業者というラベルで仕事をしてしまっていないか、会社の枠を超えて社会に大きな影響を与えられるべく再現性をもってリーダーシップを発揮できているか。
自分を成長させる、まさに「自己変革」のためでもあるのです。
ー最後にお伝えしたいことはありますか。
横路さん:今回のイベントは、スタートアップ、中小企業、大企業、新規ビジネスを始める方、既存のビジネスを伸ばしていきたい方、いろいろな方に参加していただいてこそ、価値あるものにできると思っています。
オンラインではありますが、ノウハウだけでないパッションやマインドセット、カルチャーなどを、皆様とシェアしていきたいです。
集まっていただいた個々人の、そして私たち皆の「Day One」となる1日を目指して参りますので、ぜひご参加ください。
「Day One – CTO/VPoE Conference 2022 Spring -」
ーテクノロジーで変化を味方につける1日ー
日時:4月8日(金)10時45分~19時00分
イベント概要やお申し込みは、下記よりご確認ください。
▼イベントサイト
https://day-one-2022-spring.cto-a.org/top
(※内容は変更となる可能性がございます。)
▼参加お申し込みサイト
https://client.eventhub.jp/ticket/yvk5SGfmN
(※EventHubでの事前登録が必要です。)